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番外編

番外編その2

2011年、2010年   NEW

反響を呼んでいます!!

ご意見、ご感想のある方は
次のアドレスを小文字にして
お送りください。

OBATARIANNE@FREE.FR まで !


大人のための新しいネットワーク「club willbe」








                          


仏相な世の中、日本の中

―フランス在住ただいま帰国中―
                                                                                            小畑 リアンヌ



一揆の幕開け?日本の幕開け?

「冬眠中の小畑さん、何か言ってくださいよ」 というメールを戴いていた。

最初に東日本大地震で被災されました方々には 心よりお悔やみを申します。
フランスから見ていて涙が出て止まりませんでした。
家族を亡くし、家をなくし、 仕事をなくすことがどんなに辛いことか、知っているつもりでも言葉に出来ないほど辛いと思います。素直に言います。頑張れ日本。

天災は忘れたころにやって来ると昔の人はよく言ったものですが、 世の中はいつも理不尽なことが一杯、人って何かに向かわなければいけないものを持っているのに 忘れてしまったのかも 知れないと反省しています。

そんな中、日本は世界に 素晴らしい道徳を見せてくれました。
そんな国が天罰を受けることはありません。 真の底力を見せていくのはこれからだと応援しています。その為には日本人一人一人が誰かを 助けてあげなければと思っています。

地震直後フランス人から義援金を戴いたことがきっかけで小畑も 日本赤十字社に送るためこの街で募金をしました。フランス人を馬鹿にしていたのにこんなときみんなが 寄ってきて箱の中にお金を入れてくれ、20万円以上になり
4月 1日にこちらの銀行を通じて送金しました。 理屈ぬきでフランスは自由、平等、そして博愛の国だとこのとき本当に感じました。生きていてこんな場面に 遭遇するのも悪くはないです。

なぜか元気玉のようなものを手探りで集めたような気がします。世界中が日本を見つめ日本にエールを 送っているようではないですか。“新しい日本へ”の道は遠いかもしれませんが一歩でも前へ歩んで 行くしかないのだと思います。

 

自然に対する不満や怒りが大きければ大きいほど人は少しづつ立ち向かっていけるのかも知れません。 ですから本来の小畑に戻ります。

 

今の世の中不思議なことがいたるところで起こりつつあるような気がする。

(地震の前に書いていた文です)

やっと春めいてきたのでよろい戸のペンキ塗りをやり始めたのはいいがいつの間にか 木は腐り始めている。白い幼虫が出てきた。紙やすりでこするとぼろぼろに。もっと前に気付けばよかったと 反省している毎日。

ところでフランスの旧保護領から始まった 「ジャスミン革命」又は「アラブの春」多分この名前はずっと残ると思う。淀む水には芥溜まるというではないか。 ずっとずっと前から市民革命が起きていても おかしくないと以前から思っていたがついに世界で一揆が起こり始めた。共通するのが共和国と言えど独裁的、 その独裁者が大富豪、そして極めつけが貧富の異常な差だ。石油などが産出する国の国民がその恩恵を受けて いないなんて。一揆が起こってもあたりまえのような気がする。

そんな中フランスのある大臣が休日に問題の大統領の側近である 実業家の飛行機に乗せてもらって旅行を楽しんだとか。あのリビアのカダフィさんがフランスを訪れたとき 赤い絨毯のサービスをし、エリゼ宮のど真ん中で自らのテントを立てることも許したフランス、 漫画じゃない。そのおかげか戦闘機を何機も買っていただける商談をしたとか、なるほどいまや世界のトップは (悪の?)大商人まがいではありませんか。

なんか今回の市民運動は200年以上前のフランス革命に似ていなくもない。

 

『昔々ある大宮殿に王様とお金使いの荒い御后様が住んでいました。。。 (中略)市民はもう我慢できないとバスチーユ広場に集まった、しかしインターネットのない時代なのに たちまちフランス国中に波及しなんと11年の混乱の時代になった。そして最後は王妃もパリ中を引きずりまわされ ギロチン刑で、締めくくられたとさ。(完)、、、』おお怖。

当時も王様を取り巻く一部の特権階級の貴族が富をむさぼっていた。 国は税収の「9倍もの借金」を抱え財政改革を本気で行わなければいけないのに貴族(金持ち)の反対に合い結局は 構造改革(下級階層のリストラ、国債発行など)をしたのは いいけれど、失敗に終わり逆に借金を増やしてしまった。 なんかこれってどこかの国と似ていませんか。

島国の日本はあんまり危機感がないのではないだろうか? 本当はうーんと考えなければ国が滅びるのは一番最初に日本からのような気がするんだけど。
じゃんけんポン最初はグー(GOOD)なのかな。 遊んでいる場合ではない。

いまや世界のG220はある赤い大国 (人民共和国と言いながら、独裁的、大富豪、貧富の格差は同じだからこの国もいつか危ないのでは) に数字で抜かれてしまったけれど。

土台を作っている国民が幸せでなければ経済は成り立たないし、 いつかは国が滅びると肝を持って思ってほしい。そんな赤い国から来た一部の富豪だけを相手に市を、 国を上げて商売したってむなしいと思いませんかね。祇園精舎の鐘の音、、、では。

必殺仕掛け人は悪代官を殺したのではなく農民が旗を持って 押しかけたのだから。

「小畑さん前置きが長いですよ。」

 

すみません、世界のことより身近な生活に戻します。
以前知り合った方の旦那さんの給与は15万円ではなく、
13万円だそうです。 申し訳ない訂正させていただきます。ついでなのでここでご本人の文章を使わしていただきます。

「私の事を書いてくださって、 ありがとうございます。でも、一つ訂正がありますよ!
旦那の給料は15万ではなく、13万ほどです・・・・(泣)
旦那は専門学校に通い、卒業後すぐに就職しました。なので約10年勤務しています。
旦那の能力は私にはわかりませんが、我慢強く、とても誠実な性格です。
それでも基本給が初任給とさほどかわりがないそうです。
旦那の先輩で、40代の方でも20万ももらえないときがあるそうです。
私も働いてはいますが、個人的に働いているので、安定した収入ではありません。」

これを読んでいる日本の政治家の方、 知識人の方、大人の方どうですか。 不況だけのせいにしないで制度を見直す必要が あるのではないか。

また、昭和61年の高度成長期に出来た 第三被保険者と言う制度。世界広しどいえどこんなマッチョな年金制度はありません。これでは男女平等はなく なります。これから生涯独身や単身家族が増えていく中で旦那に年金がありながらなんで ? 保険料を払っていない奥さんにも年金があるのか、それ自体がおかしいのに、 これまた運用第三被保険者の話は何でしょうね。これでは 本来の平等の年金制度は本当に破たんする。 要するに一部の人がもらっていたことを国民にわからせないように救済というものをつくったのでしょうか。 前政権の官僚のミス隠しですか。不思議な国です。

 

これでは閉塞感が漂っている今の日本と 言われているらしいですが、国も国民も考えることをしなくなったときが一番閉塞感よりも怖いと思うのは 私だけなのかな。

そんな折、日本からの放送で引きこもりの息子と 年金者の母の話がありとても気になった。もしかして我が家もそうなのかも知れないと 今から対策を練ればと真剣に考えることにした。

だが違っている。いったい何が違うのだろうか。わからない。 20代の後半になったオ.タ.クの息子はこの不況でいまだに就職先は見つからない。親子の年齢さもほぼ同じ、 引きこもろうと思えばこっちも同じ、一時面倒になったので3週間買い物も行かず、 どこにも出ず、半てんの寝巻きのまま、家にあるもので過ごしたことがある。

息子はもうお手上げで私にお料理を作ってくれたり 自分で具のないラーメンを毎日作って食べていた。 支えてくれないと甘えるより支えたことは 一度だってあるのかと教えるつもりでもあった。フランスでこんな甘えは通じない。 ただ一つ違うのは引きこもっているのは親の方であり、それをじゃまされると 息子に出て行けと言える、 ここはあんたの家じゃないのだからね。どうして今の日本はそれが言えないのだろう。 アメリカにも。

昔、旦那は日本製を自慢したくてよくこんなことを言ってみんなを 笑わせた。

「テレビはソニーで日本製」

「車も日産で日本製、ボールペンもPILOT で日本製」

フランス式に「、、、 そしてベッドの中も大阪生まれの日本製なんだ」と。

実際引きこもり中は日本のニュース番組に夢中になり、コタツを出して、 日本の本を読み、ご飯にインスタントのお味噌汁、、、完全に日本と日本製の世界に浸っていた。3週間後にやっと家の外に出たとき まぶしい南仏の太陽を前にして、

 

「なんや、ここはフランスや」 とやっと自分を取り戻していた。

話は日本の放送に戻そう。

少し太り気味の、母親に似ていないジョッギング姿のその息子の部屋には やせ細った母親は一歩も入れず、なのにカメラマンが入るとコンピュータ のキーボードには1cmの埃。 ベッドの周りには 洋服やごみだらけ。

「まるで腫れ物を触るような感じ」とテレビでお母さんは苦笑いしていたけれど、 一度膿みを出した方が世の中はうまく行くのかもしれない。その時親の方も痛みを伴う。でも何もしないよりは いいではないか。一つの提案ですが、押してもだめなら引いてみな。 母親が引きこもってみたら息子はしっかりするかもしれない。

イギリスへ去年仕事探しをかねて行ったとき、調度ラテン系の祭りの ようなものに当たったことがある。その時、若者の乱交に驚いて帰ろうとしたとき赤い二階建てのバスでなんと 2時間も足止めを食らったことを思い出す。5メートル行ったところで渋滞、じゃあ下ろしてくれと運転手に何度も 言ったが安全のためドアを決して開けてくれなかった。不思議なのがバスの中の 乱暴そうな若者は反抗もせず以外に素直で じっと我慢していたのだった。家ではこんなに素直じゃないのかも。

子供はどこかで大人として、親としての尊厳を持っていてほしいと 思っているのではないだろうか。それが正しいことであればきっとわかってくれると思う。 政治家も今苦しいからみんなで力をあわせようと言えないのだろうか。みんな大きく窓を開いて今の現状を 眼を開いて見るべき知るべき時ではないだろうか。今臭い物に蓋をしたって、いつかは漂って出てくる。

 

話は変るが以前、娘のことを書いたと思うが、10年前、ハーフの娘は日本留学を 夢に見、憧れた。日本人の親である私に何とかできないかと、そこで思い切って外務省関係に電話を入れ何とか 交換なり、奨学金制度を使って留学できないかと、、生活費は出せるが少し学費を何とかできないものか。

大使館、領事館からの返事はけんもほろろ、

「もしオ..ク*の娘さんが第三国の人ならいくらでも 日本に留学できるのですがね」オタクと本当に言われた。

その時、「これから日本人の血の流れた外国育ちが英語、フランス語を 話せる日本にもっとも近い人間が役に立つ時代が来るかも知れないのですから」と答えたことがある。

あれから時を経て その官僚が言われた第三国は日本以上の経済成長を遂げた。あの時、留学していた人たちは 日本に貢献しているのだろうかとふと考えてしまう。

身近な二つの文化を持つハーフの人たちを利用しないなんて もったいない。もっと先を見える官僚や政治家がいたら今の日本は違っていたのではないだろうか。 日本は道徳がもっともあり、人間らしさが残る唯一の素晴らしい国だと安心していたら、いつの間にか 閉塞感が漂い、オタク、個人情報保護、いじめ、 引きこもり、無縁社会、生涯独身という世界にその言語さえない個人主義的な新しい言葉が次から次へ 生まれてくる世界なんて誰が想像できただろうか。 子供なんて、やはり自分の生家といいながら自分で 建てた訳じゃないから人間いたるところに青山ありと言うではないか。人は一生のうちでやはり自分でどこかに 「巣」を作らなければいけないのではないだろうか。どちらにしても楽に暮らせるように出来てはいないの かもしれない。悩んで、悩んで切り抜けていくしかない。凶も極めれば吉のようになると信じていれば何も 怖くない。

 

「それらについて、小畑リアンヌ風にメッセージを下さい。 フランスからみた日本を聞きたいからです。それは民主党の迷走、菅・小沢・仙石。特捜検察の証拠改竄。普天間移設、尖閣諸島、北方領土。無縁社会。こんな日本に誰がしたって?」 とある方から質問がありました。すぐに次のように何も考えずメールで返事をしてしまったけれど。

『日本は長いビジョンがないような。フランスでは新年早々大統領が 数々の電気代、税金、電話代など値上がりを実行しました。それは借金を作らないという硬い意思なので 国民も年金者年齢が満額支給67歳になることに反対して
10回のストライキをしても人気が地に落ちてもやり 遂げる人なのでスゴイキャラですが、なんとなくこうでもしないと今の不況は乗り切れないのかと、、、

それに比べて日本はヒドイ。ちょっとした事件にあたふた。みんな同じニュースに 振り回されているって感じですね。尖閣諸島のこと仙石さんが言った事が問責まで自民党が追及するような ことですか。センカク?センゴクという読み方さえ国民は知っていたのかしらと思うのは外国から 見ている人なんでしょうね。

 

大物さんの件ですが、財産法で土地のお金をどうしたかでしょう。 あの人はもともと自民党出身のお金について裏のある人だから彼を大物という言葉に仕上げたのはそこなので しょうか。若い人でもほら大器晩成というから大物はこれから出てくると思う。ほら自民党時代の沖縄返還の ときの裏金も出てきたわけでしょう。今、一番グアムへ行けといえる時を。自民体質のお金に対しての無頓着。

国民はうんざりしていたから民主党を選んだのだから、さっさと国民の前に出てこな。何を今更口だけの 黒鳩か白鳩さんと手を組んでやっている場合か。そんな場合じゃない。民主党の迷走は国民が民主党に変わらせて おきながらあっちらこっちら、これじゃあきまへん。国内ニュースって本当に一瞬で消える。

今回のカンニング事件、こんなことがおきるのは良くないかも知れないけれど、監督官がいて、 それでも起きたその責任は?「自分から、カンニングした人は申し出なさい」ぐらいで済ませばいいことのような 気もしないでもないが。フランスで30年前のコミック映画で全員がバカロレアのためにカンニングするというのが あった。その方法はあまりにも傑作で笑えて仕方がなかったのを覚えている。でもこの事件も何週間かすれば日本人 の頭からスーと消えていくのだろう。熱くてさめやすい。流行を追い続けるっていうのはどうだろう。追求がない。 結果がない。100歳以上の生死もわかっていなくてあれからどうなったか。消えた年金は?100万人もいる 運用第三被保険者のこと知っていますか。一人で 子供と生計を立てていた女性はどうなるの?

うーんどこかおかしい。そんなあほな。国民がしっかり せな。日本も、世界の動きも見えていないかも。

7つの国に囲まれているフランスはもともと世界を見ているかな。

 

ところで去年11月にパリへ行ったとき、ある大学で沖縄返還の講演会が 行われていたけど、日本人が知らない歴史、事件など色々あって考えさせられてしまった。フランス人が日本に 興味を持っているなんてスゴイと思いませんか。もしフランス領で何か起きたらフランス人は黙っていないやろな。でもフランスは世界を破滅させる原爆を持っている強みなのかな。コワ。
政治家は意思を貫かなきゃ意味がない。人気だけで政治が出来るなんてもっとうまく、 肉を切って骨を絶つかな、皮を切らせて肉を切るかなうまく戦略を練って勝たなあかん。
900兆円に近い借金では国は滅びます。 (年の税収の20倍以上ですぞ)国民の財産を当てにして政治は出来やせん。社会は変わっていくけど 人の心も、でも遠くを見て計画してほしいな。』と、1月に返事しました。

フランスのテレビで誰かが言いました (すんません、名前音痴は治りません、覚えていません)世界が悪の世界に入って行っても 、日本だけは残るだろうと。 これ記憶に残っているのです。それはあるフランスの知識人が 日本には礼がある、徳がある、仁がある、、、だって世界中で地震が起こるとみんなそれを利用して スーパーを襲う、人のものを盗む、、、なのに日本だけはわずかにあるかも知れないがみんなが順番に並び 配給を受ける、他の人を助けると、、、でもどうなんでしょうかね早く大人が気付かなければ日本もエゴイスト な人たちが増える要因を作っているのではないだろうか。

 

2011年2月作成

*(注)この「オタク」という言葉は今回義援金の送り先のことで 総領事館に電話した時も最初にこちらは名乗ったのにある領事に受話器が渡された後言われた のでこちらも ハイ 、オタクですと答えた。 なんなのだろうこの言葉の使い方は、私は??さんではないらしい。どこかの馬の骨なのかも、

確かにもう自分が何人か忘れかけてはいるが。

 

という文章を書いていた矢先に地震が起こりました。 あえて載せています。御了承を。

 

あれから、またまた家に閉じこもったのはいいのだが、ミチジャーという流し台のお湯も水も一つになった蛇口が壊れた。パッキングを直せばいいのかもしれないと、初めて解体したのはいいが、結果は水道管の中のプラスチックの一つの弁が壊れていてどうすることも出来ない。台所を水浸しにしてしまった。息子とバスタオルまで出して拭きまくった。結局元栓を切るしかない。

フランスではこんなときすぐに誰も来てくれない。しかも 高額料金をとられる。だから自分で直すことにする。別のミチジャーを買ってきて工事をしたが、 なんと計っていった管のサイズが変ったとホームセンターが言ったので、信じて買ったが私の計ったサイズの方が 正しかったからやり直し、3日掛かった。お風呂を使えない息子はもうお手上げ。

「あのな、日本では 何週間も水が出ないのだからね」

その時、思ったのだが、日本の地震で何週間も水が出ないというのは 大変と身にしみてわかった。息子も納得した。でもこんなか弱いオバハンが配管工事までやってしまったのだから、 もうやれないことはなくなったと自負している。じゃまなオタクの息子は友達のところへ遊びに行った。 来週その彼はアルバイトを見つけたそうで出て行くらしい。

覚悟をすれば人間何でも出来ると今は言える。

「国債」に頼らないで、借金に借金を重ねるよりも食品などの生活費は 上げないという方法で贅沢品に税金をつけることはやるべきことだと思う。 消費が一番という経済学の先生方に任せないでほしい。 政治のことには口を出したくないが、新しい日本を作るには何が本当に必要か、もっと正直に現状を話して 苦しいことを国民にわかってもらうべきだと思う。 人気取りの 政治でもめている場合ではないような。

 

確信を持って、次の世代の世界の羅針盤に唯一日本はなれる国だと信じている。日本ガンバレ。 (先に2011年版を載せています )




2010年再々上陸

今回の上陸は「さくら」である。春が大好きな私だが、今思うと 28年間なんと春に帰る事はなかった。 仕事が休める季節の夏か冬しかない。

当時、フランス-日本の往復運賃は家族四人分だと、 なんと軽く車が一台買えてしまうほどの出費になる。だからなるべく長く居たい。

そりゃ日本人が海外に旅行となるとわずか一週間ぐらいで 相当な金額を使ってしまうのではないだろうか。だが海外に住んでいるものにとっては 頻繁に物価の高い自国に帰らなければならないから経費をお粗末にしたいと願う。 一週間の豪華旅行を5倍ぐらいに薄める必要がある。

2010年、10倍ぐらいに薄めた旅行費で 日本の春を楽しむために一人でやってきた。

なのに、、、

毎日、しとしとの日が今年は多かった。 というか春先はこんなものだということを忘れていたのだろうか。いや春は薫風南から来たりではなかったのか。

いつものように8時に起きる。雨。借りたマンションの一室には 本当に何もなかった。あるのはアナログテレビ、ちゃぶ台と布団と100円ショップで 取り揃えた鍋とお皿が二枚と湯飲みだけ。しかも改装中なので色々な業者が訪れてくる。 持ってきた息子の寝袋で最初の二晩は過ごしたもののこれでは寝れないと結局布団をホームセンターで 3900円で買い???なんと3900円で布団一式だよ。安物買いの銭失いなのかおかげでシーツの値段の方が 高くついてしまったからこうなったらフランスへ帰るときは船便で送ってやろうと考えている。

今回もかなり引きこもりが続いたため 頭はボーとしだした。その上、

一昨日も昨日も2、3回、真夜中のサイレンにたたき起こされてしまった。 ここは心斎橋にも近い堀江なので夜中といえど車がひっきりなしに過ぎていく。日本のマンションがこんなにも 車の騒音が上階まで聞こえるとは想像していなかった。6階のこの一室は壁を隔てた隣がエレベータ、 なのに何故か機械の音も人の気配さえまったく聞こえない、にも関わらず外の音は本当にうるっさい。 アルミ格子に貼られた硝子が何と一重で3mmもあるのだろうか。よくまあこんなうすぺらいガラス構造を作ったものだ。

今日の夕方には給湯器を設置に来る。 だから出かけるのなら今のうちだ。

外に出ようと決心?何で決心が必要なのか、 一人暮らしで食べ物とテレビがあれば雨の日にわざわざ出かけるのは億劫になる。 目的を作って出かけることにする。

郵便局で布団が船便で送れるか聞いてこよっと。

確かこの近くに中央郵便局があったようだが。 阿波座の方に進んでしまって道を迷ってしまった。自分の中に「現在」、「過去」、「未来」と ナビゲータのないものは、というより羅針盤装置が設置されていない方向音痴は道に迷ってしまう。

「一つ曲がり角、曲がってくねくね~」

 

するとどうだろうパトカーが大量に置かれた駐車場のようなものが 視界に入った。何人かの「おまわりさん」もいらっしゃる。郵便局探しだけでアパートに戻るのは、 もったいない、折角引きこもりから脱出できたのだ。それに物にはついでというものがある。

ひと言「真夜中サイレン」のことで言わせてもらいたい。

「あのう、すみませんが事務所はどこでしょうか」

こんな雨の中???ガレージの中で念入りにパトカーを磨いている 若い警察官に話しかける。そのおまわりさんはDC2**という番号札だけをつけていて名前がない。

「用件はなんですか」

冷たい態度はまるでぴかぴかのパトカーの作業を中止させたやつは 誰だというような目つきである。こうなったら頭が動けば尾も動くだろうから手っ取り早く、

「あのう、所長さんみたいな人とお話がしたいのですが」 向こうは用件を話すまでは引き下がらないと、腕を組みこちらの名前から住所までを聞き取った。

「実は、、、」これまで何度か夜中にサイレンでたたき起こされること、 真夜中の3時ごろに何故一台しか走っていない車に向かって「そこの車、どきなさい」はないではないか、 ここはマンション街なのだからと、、、

話しているうちに10人ぐらいの立派な制服姿の警察官たちに囲まれる。 こっちもオバハン一人飛び入りで身分もわきまえず「殴りこみ」に来たのには違いないが。 そこからはまるで事情調書扱い、一向に所長さんに合わせてもくれないで、手はどうぞお帰りくださいと 差し出されている。

 

「すみません、このことはちゃんと伝わるのでしょうか」

 

「あのね、サイレンは仕方がないんじゃないの」

「サイレンならかまいません。でもマ・イ・クで放送するのは、 別に夜中の12時ごろまでならいいんですが、それ以降っていうのはどうなんでしょうか」

こっちもこのままでハイそうですかと引き下がれない。 ましてや私は小畑リアンヌなのだ。

「命のキケンのための当然のこと」別の警察官が口を挟んだ。

「でも、命のことをおっしゃるのでしたら眠れなくなったら 人間疲れて自殺にまで進展する可能性があるかもしれないじゃないですか。ましてや四車線で一台しか 走っていない道路で、その一人に注意するのに何百人、いや何千人をマイクでたたき起こしてもいいという 法律はあるんですか」よく言ったと自分では自負していたが、彼らの態度はまるで「キチガイ女」の 戯言としか受け取ってくれなかった。

「道路交通施行令第14条だよ」少し白髪混じった 警察官がいつの間にかそこにいて答えている。口では大阪の城も建つ、確かめなければ女が廃る。

「14条なんですか。いえ、サイレンならいいんですよ。 右に曲がりますとか前の車どいてください、パトカーが通ります。なんて真夜中にマイクで言う ことまでその施行法には書いてあるのですか」

話にならないと、10人ぐらいはこちらに立ち向かってくる。 こっちも負けてはいない。最後に、

「すみません、あなたたちは私の住所も名前も電話番号も 控えたのですから、そちらの名前も伺ってよろしいでしょうか」

「奥さん、日本じゃサイレンだけじゃ聞いてくれへんのですわ」 急に親しみよく話しかけてきて

「どうしようもありませんわ」

「もし、事故が起こったらこっちの落ち度になるんですわ」 この大阪弁はなんなのだろう。それにしても本当にそうだろうか。情けない。結局20分ほど経って、

「はいはい、今日はこの辺まで」とニワトリを柵から追い出すか ように手を広げて出されてしまった。これは反対だ。フランスでは警察官のことを俗語でニワトリという。

結局苦情の提出先も教えてもらえなかった。言える所はないのか。

ここには記載できないが、こっちはその上司とかという 三人の名前(T.U、H.F、H.T)はきっちり戴いた。いつかその法律がそこまで許しているのか 確認すれば誤りの手紙を書くつもりである。すでに焼け石に水かも知れないが。

 

フランスだってパトカーや救急車は必要時サイレンを鳴らす。 サイレンが聞こえると人々はすぐに通れる道を作る。当たり前の話ではなかったのだろうか。 だがよほどのことでない限りマイクを使うことはないだろう。というより今まで聞いた事がない。 ましてや深夜ではないか。月に45回は異常だと私だけが思っているのだろうか、糠に釘かな、それより豆腐に鎹かな、 うーんもうどっちでもいい。今の日本は見ざる聞かざる言わざる体制になっているのかも。

今年パリで日本人女性が数日連絡か途絶えた友人の安否を 気にして警察に電話したらしい。警察官は彼女の名前だけは控えたようだがが匿名でもかまわなかったと 彼女は言う。

直ちに警察官が消防署に連絡し、消防署は友人のアパートへ行って 何度かブザーを鳴らし応答がなかったので、窓からまるで映画を見ているかのように突撃したらしい。 幸いにも友人は風邪で床で倒れていてそのまま病院へ運ばれたらしい。電話した彼女は友人からその後連絡を 受け病院へ行ったという。ここまでしてくれるフランスとまるで無視扱いの日本はどうしてこんなに違うのだろう。

ああ、これが見えぬかと着物の襟を広げてさくら吹雪をニワトリたちに 散らせてみたい。

――――――――

15年の放送を終えて“ホットモーニング”が朝の茶の間から消えた。 やっと日本で見れると楽しみにして来た矢先に個人的にはいい番組は消えていく。そして例のギンギラギンの 番組だけが残る。その後の番組は朝に体操だったが、昔のラジオ体操とは違っていた。

何が違うのだろうか音だけの体操には活気があったが、 画面が現れる体操には美しい流れが見える。便利に椅子に座ってでも体操が出来る。そのせいだろうか、 足を広げて手を腰にすえ背中を後にそらす体操はなくなっていた。

やさしい体操なのか。

なんでや。

外に出よっと。

ある日心斎橋からマンションに帰る道、アメリカ村を10人ぐらいの変装して 歩く花の軍団に出くわした。漫画の幼稚な主人公のような服装、一人一人が個性を出しているようで 一人一人がまったく同じ独特の趣向だから、超ミニに近いひらひらのスカート、髪には色々なリボンの花飾り、 長い手袋をはめ、小さなハンドバッグという出で立ち、まるで八歳の女の子集団。

あとで解った事だがフランスでも“カワイイファッション”として この軍団のことは有名でパリでもなんとモーニング娘、ヨーロッパ進出をうたい文句にしていたような!!! ここでもなんでや。外面如菩薩、内心如夜叉って言葉があるんだけど、それとも見目は果報のもといなのか。

向こうは十人近い集団だから堂々と道の真ん中をおうでを振って 歩いているから道をよけるのは少数派のというよりたった一人の私のほうだが、こっちもそう簡単には道を 譲らない偏屈人だから、彼女たちの間をすり抜けた、そのときの空気がヒヤッとしたのはいうまでもない。

暑い夏には四谷怪談を見るより是非こちらをお勧めする。

 

気の小さいリアンヌはその晩、布団に入りながらこれからの 日本を考えてしまった。すると締め切ったマンションなのにどこからか隙間風が入ってきているのか、 背中がゾクゾクとした。

そういえばここへ来てもう二ヶ月も経つのに殆ど近所の人を知らない。 会話したのは週に何回か来ている管理人のおばさんだけ。

き薄になった日本社会を目の辺りにしている。のか、 フランスより個人主義が強くなったのか。

 

今回の上陸はさくらだと言ったが本当は一日だけの私用が 出来たこともあった。折角地球の裏側から8000KMを飛んでくるのなら、 それだけの料金とCO2代を払うなら、この際だから遠きは花の香、花見を見てやろうと決心したのだった。

何度も言うが日本で花見を見るのは何と28年ぶりだろうか。 庭に植えたさくらんぼうの木は大きくなったけれどあまり花をつけない。フランスでは働きバチが激減し、 あちらこちらで実がならないという弊害が起こっているらしい。

その用事の一日の為に準備をしなければならない。 日本の住宅の確保と生活費、フランスでは3ヶ月間家を明けるのでその間の維持、また失業保険が切れてしまっては何の意味もない。ハローワークは毎月のように呼び出しがかかるから、これは困った。

探せば名案が浮かぶものでそれは自分の年齢を使ってハローワークに 免除を申し入れることだった。来年以降はその免除さえもが長寿国?フランスもなくなってしまう。 つまり以前は50歳後半にもなるとどんなに仕事を探しても難しいということで申請をすれば年に一回の 報告だけでことがたりるというシステムだった。その免除自体が今回、世の中の不況のため法の改正が 行われるというではないか。やるとしたら今しかない。申請しなければ、年金者になるまで仕事を探し 続けなければならない。9月には今度はその年金時給資格年齢まで変わってしまう。60歳から62歳に 段階的に引き上げられていく。

「働からずもの、食うべからず」の日本とは違って「仕事のないもの、 食うべし」のフランスもここへ来て少し様子が変ってきたのだろう。

不況でJALや大韓がパリから直通の関空行きをストップ したためというか、もともと乗らない航空会社ではあるが、初めてトゥールーズ-フランクフルト -関空間を安いルフトハンザ航空会社に決め、経費をなるべく押さえるため日本の友人には 「私は大阪を離れないので悪いが会いたければ大阪まで来てほしい」と在日中もローコストに心がけた。

さてさて、あれからの日本は景気が少し戻ったのだろうかと 期待もしたが、そうではないらしい。成徳の士は乱世に疎んぜられるではないが、調度隣に座った若い日本女性と「日本のこと」で話をした。彼女は本当に生活が大変と言い、子供を産める「世の中」ではないと嘆いていた。旦那は15万円ぐらいの給与、彼女も働いていたが毎日の生活に必死だという。じゃあ何故海外旅行か、首を振ってこれは仕事のためと教えてくれた。今実家の横に家を安く借りてに住んでいるから生きていけるとまで言う。

格差を生んだ日本。先進国の中でGNPの180パーセントにも及ぶ 借金大国。あのギリシャでさえも60パーセントだったというのに。とっくに破産大国ではないか。 これでいいのか日本!おっと政治の話はお偉い方に任せてリアンヌはわが道を行こう。

 

昔、昔、 あるところに浦島太郎子がおりました。

小さな会社を助けたお礼にと卑弥呼城で もらった100年は安心と言われた年金の玉手箱を開けた途端、

金銀ざくざくの金庫だと思っていたのが、 なんとそこから燃えた国債から煙が出て、太郎子はしわしわのおばあさんになったとさ。